「じゃ、自己紹介するね。俺は吉野大地。歳は詩織の一つ上。訳あって学年は詩織と同学年」

それは詩織から聞いていたから驚くことも無かったけど。


「俺は詩織の彼氏の佐伯恭介って言います。高三です」


俺は彼氏って所を強調して自己紹介したのにさ、吉野さんはそこはスルーして、


「えっ? 高校生なの? 高校生なのに詩織と同棲してるの? すげーな、今どきの若者は」

「ちょっ、ちょっと待ってください。俺、詩織と同棲してないっすよ。しかも遠距離恋愛だし」

「えー、だって部屋を借りる時に同棲するって言ってなかった?」

「まぁ、俺が大学生になったらそのつもりですけど。今は違いますから」

「そうなんだ。色々誤解してたわ。じゃ、もうすぐ受験か。どこの大学受けるの?」

「詩織と同じ大学を考えてるんっすけどね。どうですか、大学」

「んー、もし海外のボランティアとか本気でやりたいなら別の大学を勧めるよ。俺たちの大学は海外留学とかしても単位がもらえないから海外に出るなら同じ学年をもう一度やらなきゃならない。俺みたいにね」


そっか、詩織の大学は単位に厳しいのか。