大学側の説明が終わると、私は講堂を出てたくさんの部活やサークルの勧誘を見て回った。

どのサークルも話を聞くと魅力的で、一つのサークルに10分以上足を止めて話を聞いていたから、なかなか先に進まなくてだんだん疲れてきてしまって。

早く友達作りたいな。一人は淋しいよ。

楽しそうなサークルに入って沢山の知り合いを作らなきゃ友達もできないもん。

休んでいる場合じゃないよね。

「うん、次はあっちのサークルの話を聞いてみよう」

そう思って、目線の先で私を手招きして勧誘しているサークルに寄ってみる。

「あれ? さっきのメモっ子じゃん。なに、そんなに疲れた顔してんの? 真面目なメモっ子ちゃん」

「へっ? 私のことですか? えっと、どなたでしたっけ?」

私のことをメモっ子と呼び、遠慮なく疲れた顔だって言ってくるこの男の人は、誰?

「うわ、物覚えの悪い子だな。さっき講堂で会話したよね? 覚えてないの?」

「あっ! さっきの変な人! っと。ごめんなさい」

私は思わずさっき話し掛けてきた男の人を変な人と呼んでしまい、慌てて手で口を覆った。

「ははっ、俺は変人かー。そうかー。面白いな、君」