「恭介、マジなの? これ。 あの先輩って恭介狙い?」
「違うっつってんだろ。返せよ、それ」
俺は佳希からメモを奪い返すと制服のポケットに突っ込んだ。
「恭介ってさ、いつも一年生から告られてるじゃん。先輩からって初めてなんじゃね? とうとう恭介は年上キラーになっちまったか」
「バカなこと言ってんなよ、佳希。優斗先輩に怒られるぞ」
「優斗先輩に怒られるのは俺じゃなくて恭介じゃね?」
佳希はニヤニヤして「ご愁傷様」なんて言いやがる。
本当にそんなんじゃないのに。
変な噂を流さないようにクラスの奴らに釘を刺して、佳希と俺は部室に向かった。