「佳希くんって面白い子だね。何言ってるか良く分からなかったけど」

「アイツのことは無視していいから」

「そんなこと言って! 仲良しのくせに」

佳希んくんが言ってた、恭介が告白されたって話が気になって、恭介に聞いてみた。

「ねぇ、恭介。また一年生に告白されたの?」

「ん-。告白っていうかさ。なんだろ。俺の気持ちをその子に言っただけだよ」

「どいうこと?」

「思い出したよ、詩織が練習を観に来ないとか、そんなの彼女じゃない、みたいに言ってきた一年のこと。あの一年、さっきも練習観に来てた。そいつが詩織に何か言ったんだな」

「直接言われた訳じゃないけど。私に聞こえるようにしゃべってた感じかな」

「そっか。今度何か言われたらすぐ俺に言えよ」

「うん、ありがとう。 ね、ね、さっきの佳希くんが言ってた恭介のセリフ、言って」

「やだよ、二度と言わねーよ。ハズい」

「いいもん。ちゃんと聞いたもん。恭介が私に惚れてるんでしょ?」

「もうこの話はおしまい!!」

恭介は顔を真っ赤にして、そっぽを向いてしまった。

「もう、恭介、可愛い」

そう言って私は恭介の腕に絡みついた。


「一年生の告白、ちゃんと断ってくれて、ありがとう」