なんか、かっこいいセリフを言っているように聞こえるけど、佳希くんが笑いすぎるから私まで何がおかしいか分からないのに、つられて笑っちゃって。

そんな楽しそうにしている私たちを見かねた恭介が近付いてきて、

「なに二人だけで盛り上がってんだよ! なんかムカツク」

なんて言ってる。

涙を流しながら笑っている佳希くん。

「俺、もう駄目だ。これ以上喋れない。恭介からあのクサいセリフのこと、話してやれよ」

「なんだよ、クサいセリフって? んあ? もしかして、佳希! あれを喋ったのか? おまえさぁ~」

そう言って頭を抱える恭介。

「もう、佳希は帰れよ! 俺と詩織の邪魔すんな!」

「分かったよ。それじゃ、俺は今度こそあっち方面なんで、帰りますね、君島先輩」

「あっ、うん。気を付けてね。お疲れ様でした」

そう佳希くんに返事して。すると佳希くんが

「君島先輩ってよく笑う人だったんですね。知らなかったです。バカ恭介にはもったいないっす!」

そう言って私たちとは別方向へ帰って行った。