やっと恭介が私から離れて、

「詩織、ありがとう」

「へっ? なにが?」

「詩織の・・・・。いや、なんでもない」

「私の、なに?」

「気にすんな。俺そろそろ帰るね。明日はお弁当要らないから。朝ゆっくり起きて。体調次第では学校休めよ。それと、放課後の練習は寒いから観に来るのも待ってるのも禁止な。また体調崩されたら困るし」

「うん、分かった。恭介、お見舞い来てくれてありがとう」

「いや、こちらこそありがとう」

「だから、なにが?」

「なんでもない。じゃ、おやすみ」

そう言ってニヤニヤしながら帰ってしまった恭介。

急にお見舞いに来てくれるなんて。なんかとっても嬉しい。

私も、好きだよ、恭介。