「詩織、ギュッってさせて」 恭介は私が返事をする前に抱きしめてきて。 「恭介、風邪うつっちゃうから、ダメだよ。離れて」 「無理」 「じゃ、百歩譲ってギュッてしてくれるのは、いいよ。でも今日は絶対にキスはしないからね!」 先手で釘を刺しておかなきゃ。恭介ならしかねない。 「いいよ。今日はこれだけで」 あれ? 素直だね、恭介。 今日は結構長い時間、抱きしめられてる気がする。