「詩織、昨日電話で話してた進路のこと、考えた?」

「それね、栄養士になるよ。優斗くんにも薦められたし」

「えっ? 俺?」

「うん、優斗くんの言葉が決めるきっかけになったかな。もう今は迷ってないよ。それに理学療法士は私に似合わないんでしょ?」

私はそう言ってわざと拗ねた表情を作り、その後クスっと笑った。

「そんな意味で言ったんじゃねーよ」

優斗くんが私から目を逸らして、恥ずかしそうにそう呟いた。

「なりたいものが見つかって良かったな。頑張れよ」

「うん、がんばるよ。優斗くんも来週から全国大会だね、頑張ってね」

「おう、サンキュー」