「詩織、こっち座って」 優斗くんは椅子をポンポンと叩いて、座るように促してきた。 そこに座ると、私と向かい合わせになるように優斗くんも椅子に座る。 「詩織、話したくなかったら無理には聞かないから」 私が泣いていた理由なんて、優斗くんには絶対に話せない。 他の人から見たらあんなことで喧嘩になるなんて、笑われちゃう。 これは私と恭介の問題。 「ありがとう、優斗くん」 それ以上優斗くんは泣いていたことには触れず、別の話題を出してくれた。