いつだよ、優斗先輩とそんな話ができるのって、いつ?

もしかして、あの電話の相手か?

「詩織、昨日の電話の相手って・・・」

「えっ? 電話・・・」

俺は確信した。相手は優斗先輩だ。

どっちから電話した?

「詩織から、したの?」

「し、してないよ」

ほら、やっぱり相手は優斗先輩だ。

どうしてだよ、優斗先輩。

俺のこと、詩織と付き合うってこと、認めてくれてたんじゃないのかよ。

「くそっ!」

俺は近くにあった椅子を蹴飛ばした。

放課後の練習で優斗先輩に会ったら、俺、何するか分かんねぇ。

先輩とか、関係ない。

「きょう、すけ・・・」

「詩織、ごめん。詩織に当たったんじゃないんだ」

「優斗くん、私が悩んでるって恭介から聞いたって。だから電話くれたのは恭介が頼んだのかなって思って」

俺が頼むって、ないだろそんなこと。