「詩織は管理栄養士の方が向いてないか?俺はそう思うけど。怪我した時とか理学療法士に世話になるけど、それが詩織だったらって思うと、なんか想像できねぇ」

「なっ! 酷いよ優斗くん。私だってリハビリとかできるもん!」

「そうじゃなくてさ、患者には色々な奴がいるんだよ。理学療法士にキツく当たるヤツも沢山いるぞ。詩織、耐えられるか?」

「そう、なの? それはちょっと怖いかも」

「何か言われても泣けないからな。気丈にしていないと次から詩織を指名してくれなくなる。ま、感謝されたりもするからやりがいはあるだろうけど。でも詩織は・・・想像できない」

優斗くんは私の性格を見抜いて、即答で管理栄養士を薦めてくれた。

嬉しかった。

こんなに優斗くんと素直に話せてることが。

悩んでいることをこの一回の電話で解決に導いてくれたことが。

「優斗くん、聞いてくれてありがとう。なんかスッキリしたよ」

「そっか。良かった。俺はいつでも詩織の味方だからな」

「ふふっ。私、敵なんていないよ」

二人で笑い合った。

初めてかも知れない、優斗くんと声を出して笑い合ったのなんて。



携帯を切って、画面を見ると恭介からラインが入っていた。