あれ、後ろの方に詩織がいないか?

目が合った。

やっぱり詩織だ。

優斗先輩ならとっくに行っちまったけどな。

俺は目線で『優斗先輩はあっち』って教えてあげたつもりだった。

「恭介!!!」

詩織に叫ばれた。えっ? 俺? 俺を呼んだ?

と、思ったら詩織が視界から消えた。

ん? どこ行った?

俺は囲んでくれてる女子たちをどかして、詩織がいた方に歩く。

そこには顔を両手で覆って泣いている詩織がいた。

詩織、やっぱり優斗先輩の人気に心がヤラレたのか?