もう、恭介と話すこともできないの?

誤解を解くこともできないの?

「どう、して?」

そう呟いて、恭介は周りにいる女の子たちを手でどけて、私の元へ来てくれた。

「君島せん、ぱい?」

恭介が小さい声でそう呼ぶ。

どうして、君島先輩なんて呼ぶの? 私から距離を置くつもりなの?

恭介は私に合わせてしゃがみ、

「優斗先輩、行っちゃいましたよ」

なんて言ってくる。

「優斗くんは関係ないってば」

私は泣きながら恭介にキレた。

「じゃあ、なんで泣いてんですか? なんで俺を呼んだ?」

私は顔を上げ、恭介を見る。

多分涙でぐちゃぐちゃの顔。

でもそんなことは気にしていられない。

「恭介とちゃんと話がしたいの。一緒に帰ってもらえない? それとも、この後誰かと約束してる?」

「別に約束なんてしてないけど。優斗先輩と一緒に帰らないんですか?」

「だから、優斗くんは関係ないんだってば!」

「分かりました。じゃ、部室行ってからすぐ戻ってきます」

そう言うと恭介は部室へと走って行った。