“由香しか話す相手がいない”
と言うのは、1年の時わたしと由香は、学校の規則をいくつも破り、何度も先生に注意を受け、学校に親を呼び出されることが度々あった。そんなこんなでわたし達は、周りから少し浮いていた。
しかしその時は、保育園のころからの大親友であるりこ、同じ部活に入っていて、仲良くなった梨乃と一緒だったから、ただただ青春を謳歌していた。
しかし、10月ごろになると、その関係にヒビがはいりだした。学校への登下校を共にしていたりことは、クラスが違っていたので互いにクラスの人と帰るようになり、いつの間にか、話すことも無くなった。わたしは、今でもりこと、前のような仲良しこよしに戻りたいと思っている。しかし、これは、虫が良すぎる。同じクラスだった由香と梨乃を優先して過ごしていて、りこをほったらかしにしてしまうことも多々あった。本当にりこには悪いことをしてしまった。“なくなってから大切なものに気づく”とは、まさにこの事だろう。
そして、梨乃とは、ある日ゆかが梨乃を無視しようと言い出した。弱くて臆病者なわたしは、それを止めることもできず、ただただ由香の言いなりになっていた。そしてその日の夜、私がごはんを食べている間に3人のグループLINEで由香と梨乃の言い合いが起こっていた。私がご飯を食べ終え、グループLINEを開いた時にはもうすでに手遅れで、梨乃の怒りは最高峰まで達していた。もう止めることはできずただただ流れてくる文章を呆然とながめていると、ある一文で流れが止まった。ハッとして見てみると梨乃から
「もう一緒にはいれない。
バイバイ。」
そう入っていた。先生達にも「姉妹みたいに仲がいいね」と言われるほど超絶仲良しだった私たちの関係はこの一言であっさりと終わった。結構、私たちはその程度の仲だったのか。
それからというもの学校では梨乃と仲のいい人からも避けられるようになった。その事でわたしと由香はほぼ孤立というような状態になったのだ。
