本当はこんなこともしたくなかった。
なんなら今すぐ心美に謝って仲直りしたい。でもわたしがそれを口に出してしまうと、間違いなく由香は怒り、
「そんなに由香と一緒にいるのが嫌なら、心美の方に行けばいいじゃん!」
と言い放ち、口を聞いてくれなるだろう。由香は怒らせるとめんどうなことになるのだ。
しかし、心美は喧嘩をしてもメールでちゃんと謝ればなんとか許してくれるだろう。という最低な考えから、今日は由香と2人で過ごすことにした。
「まじでもうアイツ友達一緒にいたくないんだけど。ほんとにだるい。」
「だよね。一緒にいるのまじでめんどいよね。」
「まじでもう離れたいよね?」
「…うん。だよね!」
また思ってもないことを口に出してしまう。でも、由香の機嫌をとるにはこうするしかないのだ。
「ねぇ。まじでもうアイツと一緒にいるのやめない?
ガチで嫌なんだけど。」
「…うーん。たしかに!めんどいし、イライラするよね笑」
「ほんとにそう思ってる?」
「あ当たり前じゃん!笑
アイツのこと嫌いだし。」
「だよねー笑」
はぁ。ヒヤヒヤした。危うく由香の機嫌ヲタ損ねてしまうところだった。危ない危ない。
よく、思ってもないことがこんなにスラスラでてくるものだ。わたしは、とんでもないウソつきだから口からのでまかせが上手いのだ。つくづく自分がイヤになる。
由香は、心美のことを嫌っている。
正直言ってその2人は馬が合わないのだ。

2年になって1年の時からずっと一緒に過ごしていたわたしと由香のクラスが別れた。最初のうちはわたしも、由香しか話す相手がいなかったので、ちょくちょく由香のクラスまで話に行っていた。