「それじゃあ行こう、霧山さん」



満面の笑みを浮かべた影野くんは、言うまでもなくご機嫌だ。



5限は移動教室、6限は体育という最悪な日課をこなした放課後。



その疲れを見せることなく、ルンルン気分で私を待っている。



クラスの人たちは私たちの組み合わせを物珍しそうに眺めていて、若干やりにくい。



「うん…」



とても気が重いけど、こうなってしまった以上は仕方がない…よね。



***



「霧山さん、どれにする?」



「ちょっと待って…悩む」



「そんなに?」