「ん……」


もう、朝…?


目を開かなくても、朝だということが分かる空気に包まれて目覚める。


…いつもなら、隣で私を見てるのが1人いるはずだけど。


「…今日は、いないんだ」


ほっとするような、少し寂しいような。


…ダメダメ。


これなら、少しは今が変わるかもしれないんだから。


そう思って起き上がろうとした瞬間、廊下からドタバタと足音が聞こえてきた。


「雫っ、おはよう…!」


「きゃっ…!?」


ぼふっと音を立てて私のベッドに転がり込んだ彼は、満面の笑みで私を見つめる。