終わりの先を知る人へ

6歳の頃。俺のおばあちゃんが病気で亡くなった。

おばあちゃんはよく仕事で家に帰らないお母さんの代わりに俺を育ててくれた。そんなおばあちゃんが俺は大好きだった。

そんなある日おばあちゃんが病気だとお母さんとお父さんが話してたところを見てしまった。

きっとこれは俺が聞いちゃダメだったんだ。
そう思った僕は知らないフリをしていつも通りの接し方をした。
それでも子供だったからなのかおばあちゃんが察してしまったのだ。

「誠二。人はいつか死ぬ。それは当たり前なことなんだよ。みんなそうなのさ。」おばあちゃんは俺といて幸せだと言いながらスープを飲んだ。

2週間後におばあちゃんが亡くなった。

おばあちゃんが病気でもうながくないと聞いたからと言って当時6歳の俺だ。心から理解しているわけが無い。

おばあちゃんが今もういない。どこで何してるんだろう。もう会えない。

一面に広がる桜を見ながら
そんな葛藤が飛び交っていた時に俺はある女の子に会ったんだ。


「寂しそうだね。」
どこか品のある俺より3歳上くらいの女の子が僕に話しかけてきた。

「おばあちゃんがいなくなったの。」俺は今ではありえないほど初対面の人におばあちゃんが病気で亡くなったこと、死への恐怖思っていること全て話していた。

全て聞いた女の子はまるで生と死について知り尽くしているような目をしていた。その目は真っ直ぐ、でもどこか遠くを見ているようだった。

そして少し経ってから女の子は言う。

「人は生まれ変わるんだよ。」
俺よりたった3つしか変わらないのに大人な雰囲気を漂わせる彼女に今考えるときっと俺は一目惚れしていたんだと思う。