それからしばらくして、星矢くんは口を開いた。



「劣っているのかなー、って思ったから」

「え?」



星矢くんは苦笑した。



「俺が先に高校入って、入寮したとき。同じタイミングで瑠衣と祐樹がいて」

「うん」

「2人見ていたら、凄い奴らなんだなって思った。……奈々も、こういう奴らが好きなのかな、って、勝手に思っていた」



……私?

なんで、このタイミングで私が出てくるんだろう。


そう思っていると、星矢くんは起き上がって、私の瞳をとらえた。



「俺、昔から奈々のことが好きだった。告白できずに高校に入ったから、もう伝えられないのかなと思っていたけど」



風が髪の毛をなびかせる。

星矢くんの雰囲気が私を惑わす。



「俺。奈々が好きだ」

「っ、」

「奈々に格好良いって思って欲しくて、イメチェンもした。……成功したのか分からないけどね」



星矢くんがイメチェンしたのは私のためだったの?


嬉しい。

その感情と、言葉には表せない感情が出てきた。

何も言えない私の頭を撫でてくれる星矢くん。