「ちょっ!」

「なっ……!」



2人は思い切り叫んだ。

保健室に響き渡る2人の声。


そして。



「祐樹! 僕の奈々ちゃんから離れてっ!」

「奈々は瑠衣のじゃないだろ!?」



瑠衣くんと星矢くんがわめきながら近づいてくる。

気がついたら私は瑠衣くんに抱きつかれていて。

驚いていると、思い切り、引っ張られた。



「祐樹とはーなーれーてっ!」

「瑠衣くん、痛いよ!?」



瑠衣くんのバカぢからのおかげなのか。

祐樹先輩から離れた私。

もう、涙は引っ込んでいた。



「奈々! 泣かされたのか!?」



星矢くんが私の目の前に立つと、私の頬に触れた。

多分、涙のあとが残っていたんだろう。

星矢くんも目ざといなぁ。



「えっ! 奈々ちゃん、泣かされたの!?」



瑠衣くんが私を抱きしめる腕に力を込める。



「苦しいってば!」



私の目の前には星矢くんがいて。

私の後ろには瑠衣くんがいて。

サンドウィッチじゃないんだから!