「はぁ……」



掲示板の一件から数日後の放課後。

私は寮に帰りたくなくて、屋上へ続く階段を上っている。

足が重たい。


あの日から。

すれ違う生徒たちに噂されるようになった。



『桜庭 星矢をたぶらかす女』

『暴走族総長・黒崎 祐樹の浮気相手』



そして。



『高橋 瑠衣の人生破滅へ追い込む女』



聞くに堪えられないものだった。


私だけを批難するなら、まだいいけれど。

3人を巻き込みたくない。


私は屋上の扉に手をかける。

……外の空気を吸って、気分転換をしよう。


ガチャッ。

扉を開けると夕日が差し込んできて、思わず目をつむる。


眩しい……。


光を浴びながら、屋上へ足を踏み入れる。



「……誰っ」



屋上のフェンスに見える人影。