皎天よりあの子は遥か



楽しいことやうれしいことをつくろうともがいてみれば、自然と、人と仲直りしたり、好きなひとと身体を重ね ることができるようになっていて。

死にたいと思ったり、悪いことをすることよりも、人のことを考えるようになって。



「なに泣いてるの、美宵ちゃん」

「……今日子だって泣いてるよ」



つらいとくるしいとくやしいの渦の中にいて、溺れるだけだったあの頃。

その青の泳ぎかたを教えてくれた蒼井今日子と、行く先を示してくれた花村はるかとの、たった1日。


きっとみよにとってその日がわすれられない大切な日になったように、大人として生きている人たちには、そう いう日があるのかもしれない。

だから、生きていくという選択をして、今日も新しい朝の青を迎えられるのかもしれない。そう思うよ。



「ねえ、また会えて、本当にうれしいよ」

「生きててくれてありがとう、だね、お互いに」




これは誰かにとっては綺麗ごとかもしれないけれど。


生きていさえすれば、なんてね。






fin.. .