皎天よりあの子は遥か



「明日も学校来てね、なんて、蒼井さんが言ったからじゃない」

「そっか。…実はあの夜倒れちゃってね、緊急搬送されて、もう本当に死んじゃいそうになって、でもなんとか持ちこたえて…でも学校には行けないまま、都内の病院で治療することになって。約束守れなくてごめんね」

「べつに、約束なんてしてない」

「美宵ちゃんって相変わらずクールな物の言いかたするんだね。それじゃ患者さんこわがっちゃうんじゃないかな」


余計なお世話だ。そういうところも、くすくす笑うところも、変わってないんだね。


「…子供、できたの?」

「たぶんね。まだ検査薬しか試してないから、診察してくれるかな」

「それが仕事だから、言われなくてもやりますよ」


セックスも知らなかったあの頃の優等生は、苗字も変わって、おなかに子供がいるかもしれないと8年ぶりにみよのもとに姿を現した。

再会にしては微妙な感じ。でも友達でもなんでもなかったから、こういう機会がなければどちらにしろ会うことはなかっただろうね。



「美宵ちゃんが産婦人科医になってるとは思わなかった」

「…花村さんの幸せそうな顔が頭から離れなくて」

「うん。美宵ちゃんらしいね」