世界でいちばん 不本意な「好き」



駅前カフェのバイトは従業員との仲を考えないとならないから面倒だけど、まかないが良いし時給が高いから高1からずっと続けている。

こども向けの写真スタジオのバイトは学童の先生からの紹介で七五三シーズンの頃に短期で入ったら、もっと来てほしいと言ってもらえてサポートメンバーとして不定期に。

コンビニのバイトは廃棄目当てに2年のときは主でやっていたけど、最近は工場のほうが合っていてあまりシフトを入れていない。


パン工場でのバイトは、黙々と作業ができて、かつ長い時間働かせてもらえる場所を探して見つけた。


あとは夏休みにプールの警備員やバーベキュー場、冬休みはスキー場でも働いたり。

レストランでのバイトは動きまわるのが苦手だと感じて長く続かなかった。


学費は特待生として免除されているけど、本当は実家から通えない距離ではないから寮は別。卒業してからはもっとお金がかかる。だからとにかく稼いで蓄えておきたいんだ。


工場での仕事はすごく好き。パンの良いにおいのなかで頭を空っぽにしてひたすら袋詰め作業をするの。

いつもなら癒しの時間なのに、なのにどうしてか久野ふみとの顔が浮かぶ。


なんで、気にかけてくるんだろう。

ただ隣の席なだけなのに。



可愛がってる、とか、ショーマの解釈はおかしい。

そんなふうにしてもらえる要素、どこにもないでしょ。


だいたいそれで気にかけてくるなら可愛がってくれなくていい。迷惑だ。

わたしはとにかく、どうしてか、どうしたってあの異物と深く関わりたくないって思っちゃうんだ。


あのときカレーに誘わなければよかった。