世界でいちばん 不本意な「好き」



でもみんなにとってはちがう。

それこそがふつうの反応なんだと思う。


周りと仲良くしたいなら、もう少し、自分で危機感みたいなものを持ったほうがいい。

そういう意味を含んで言ってるのに…わかってるのかな、このひと。


「ただきらわれてるだけじゃん!」と言いながらなぜか笑っている彼にため息をつきたくなる。



「でもまあ、ショーマくんかっこいいし人気ありそうだから、俺の印象わるくなったよなー」


わかってるらしい。


「そう思うなら、どうにかすれば…」

「うん。…けど、無理に仲良くしてもらうのも、違うよね」

「……」


このひとは、相手も、自分も、無理なく自然に関わっていくことが理想なんだ。


わたしの、つくりものみたいなものは、求めてないらしい。

過ごしやすい環境のほうが、いいでしょ、ふつう。


やっぱりわかり合えない。
わかろうとも思わない。


「じゃあ、みんなと仲良くは、あきらめるんですね」

「…まあ、そうなるね」

「…意外と、淡泊なんだ」

「……っ」



9年前のこのひとは、どんな高校生だったんだろう。

最初の自己紹介での口ぶり、きっと、楽しくて、心残りになるような生活だったのかもしれない。


思い描いていた夢みたいな学校生活。

もう一度そんな毎日を送ろうって、9歳年下のひとたちの中へ飛び込んだ。


勇気のいることだったんじゃないかな。

べつに、だからって、知らないけど。どうでもいいけど。


何か言い返したい、だけど言えない。

そんな表情で声を飲み込んだ彼をおいて、教室に戻った。