世界でいちばん 不本意な「好き」



「部活組が見たんだって。ショーマの彼女なのに…ふたりとも最低じゃない!?」

「ウワキじゃん!アリスどう思う?」

「あたしのこと振っておいて寧音選ぶとかありえなくない?」

「寧音って本当に軽いよねっ。アリスと付き合ってたショーマをとって、ショーマの休みがつづいたからって今度はアイドルって」


いや、ショーマが休んでて淋しいから、とか、そういうことでなのかな…。さすがに違うと思うけど…これ、ショーマ知ってるの?


もともとあまり評価が良くない、いわば正解好きの真面目な子たちの中に入り込んだまま来ちゃった女の子、みたいな扱いをされている寧音。

わたしからショーマをとった、という感じになっちゃったときからその評価はよけい下がっている。


ただの正直者なだけだけど…そんな寧音となんでって、久野ふみとは、今みんなから思われている。

昨日教えたはずなのに…なにやってるの、あのひと。



「アリス、どう思う?」


どう思う、と聞かれても。



冷たいわたしは、元カレが浮気されようが、隣の席の異物が誰にどう思われようが、寧音があることないことで嫌われようが、どうでもよくて。


どう発言すれば、人気者、のアリスは保たれるのか。

そのための正解を探していると、教室のドアが開いた。


「おはよう」

「おーす」


うわさのふたり…久野ふみととショーマが、同じタイミングで入ってきた。