世界でいちばん 不本意な「好き」



小さい子どもはわりと好き。

わたしも保育園じゃ一番遅くまでお留守番、小学校低学年までは学童保育に通っていたから、この空間に慣れているというのも理由のひとつ。


とにかく子どもたちの遊びに付き合って、幼児はお昼寝をさせて、小学生たちには宿題をさせて、たまに先生たちの手伝いをする。子どもを見るからには責任を持たなきゃならないけど、やること自体はむずかしくない。


「アリスぅー遊んでー」
「アリスぅー次はいつ来るのー」
「アリスぅーいっしょに寝てくれなきゃやだー」


子どもたちって正直で、なんだか安心する。

係か部活に必ず入らなきゃならない決まりごとは面倒に思うけど、この場所でのこの時間は、癒しのひとときだったりするんだ。


だって学校に行けば、事件が起きることもしばしば。

他人事だって知らんぷりして蚊帳の外にいたいけどそうもいかない。気づけば渦中の騒動を知って、知らんぷりできない状況になっていたりする。


登校するとすぐに下駄箱でクラスメイトに捕まり、どどど、っと教室の中に引き込まれて、話題の何かを聞かされる羽目に。

風邪から回復しないのか、ショーマは今日も来ていなかった。


勢いがすごいんだけど、何ごと?クラス内で揉めごと?それともテストのこと?



「寧音と久野史都が、昨日の放課後、キスしてたの!」

「……ええっ」


いやこれは、さすがに予想外。