世界でいちばん 不本意な「好き」




「アリス、今日も汐くん?」


帰りのホームルームが終わり、あっこにそう声をかけられる。汐くんのこと、言えてなかったんだった。


「ううん。…ねえあっこは今日空いてたりする?」

「ごめんー。今日はカイが部活ないからごはん奢ってくれるって言ってて。…あ、アリスも来る?」


ひえ。行ったら甲斐くんに睨まれちゃうよ…!

首を横に揺らして断ると「バイバイ」と手を振られる。振り返しながら、なんだかんだでうれしそうにするよなあと思った。


紗依はどうかな、と思って予定を聞いてみると今日は家族団らんの日らしい。お母さんもお父さんもいそがしいことが多いから水は差せない。
汐くんのことは明日話そう。


今日はバイトもないし係もないから真っ直ぐ帰ろう。

クラスメイトたちより少し遅れて教室を出ると、廊下に久野ふみとと寧音が並んで話していた。


笑ってる……まさかの、寧音があの異物の友達1号?何か用があっただけかな。

変な組み合わせだとは思ったけど、それ以上は気にも留めてなかった。



次の日もショーマは休みだった。

大丈夫なのかメッセージを送ろうかと思ったけど、寧音にバレて面倒なことになっても嫌だからやめた。


お昼休みはまた久野史都の魅力を演説され、そのほとんどと聞き流すだけの時間を過ごした。おかげで汐くんのことは言えず。

今日の放課後は係があるからそっちに向かおうとしたら久野ふみとに呼びとめられた。