世界でいちばん 不本意な「好き」



でも、そっか、そうやって送り合う手があるのか。同性からの連絡とはまたちょっと違うか。プレミアムな人と関わるのはむずかしい。

卒業したくない。


「あ、」

「なに」

「リハビリ終わるの何時?」

「1時間くらいで終わるけど…」

「終わったら迎えにくるって」

「だれが」

「ふみとが。みんなで遊ぼうって言ってる」


本当に勝手。悩んでる自分がへんみたいに、ふみとは何も気にせずに近いてくる。

おかげで1時間がとても長く感じた。

どう考えても、うれしくて。会いたいと思ってしまう。


明日学校に行けば会えるのに。

明日学校に行けば会えるのは、あと何回だろう。数えられる回数であることはまちがいないけど、数えたくない。



「けっこうしんどそうなリハビリだったね」


本当に見張ってた、というよりは、心配そうに眉を寄せて見守ってた寧音は、終わったあとにわたしの背中をそっとさすった。

だいじょうぶだよ。


「なんかいつもよりがんばれた。がんばらないとイヤミ言われそうなんだもん」

「なんなの、かわいくない。どうせふみとさんに会えるからがんばれただけなんじゃないの」


まあそれもあるけど。


病院の外に出てロータリーを歩いていると車が寄せられた。


「フォードマスタングだ!かっけー!」


ショーマが目を輝かせる。何それ。車の種類?

しばらくその車を見ていると助手席の窓が開いた。


「きみがアリス?」


中の人はふみとではなくて。だけど、知っている顔。最近覚えたから、名前までちゃんとわかる。でもなんでこんなところに…!!?しかも明らかにわたしの名前を呼んでこっちを見ている。