世界でいちばん 不本意な「好き」



穂くんと別れてはじめての週末。

淋しい淋しい淋しい…!リハビリが終わるといつも迎えか連絡をくれてたし、夜寝るまで電話したりしてたのに。やっぱりヨリを戻したいって言おうかと思っちゃうくらい淋しい。よく1週間耐えたよ。

優しいし、わたしの性格わかってるし、素直にさせようってわざと意地悪や憎まれ口言ってくれたりして、優しい。比べるのはどうかと思うけどふみとよりも絶対にわたしに合う人だと思うの。


紛らわせるようにバイトのシフトも増やしたけどなんだか疲れちゃった。穂くんは癒しの存在でもあったみたい。


早まったかも。別れなきゃよかったかも。

そんなこと考えることすらおこがましい。


「ピアノ弾きたい………」


あの頃みたいにうまく弾けなくても、望まれてなくても、もうそれしかないんだと思う。


お姉ちゃんに嫌われてたって知った時、お母さんは気にしなくていいからあなたはピアノを弾きなさいって言った。お父さんは何も言わなかった。

ピアノが大嫌いだったし、憎かった。
だけど同じくらい、ピアノだけはわたしを裏切らないと、信頼していた。

指を切ったって、神童と呼ばれていたことを知らない人たちに出会ったって、変わらない。

ピアノに代わるものも、家族からの愛に代わるものも、きっとない。


この孤独を、抱えて生きていかなきゃならない。


もう誰かを巻き込んで傷つけないように。

ひとりよがりはやめにしないと。