世界でいちばん 不本意な「好き」



ずっと天秤にかけている。

叶えてくれないふみとか、
叶えてくれる、誰かか。


そっちに傾かないように、必死に、自分に言い聞かせている。

だってもうひとりになりたくない。
愛されたい。何も持たないわたしでも、愛してほしい。
愛がわかるように示してほしい。

優先して。一番にして。特別にして。何よりも誰よりも。


だけど、そんなもの、

どんどんわたしの中で輪郭を帯びていくこのひとに、敵うのかな。



寄りかかりたい。

きっと、受け入れてくれる。


─── そのとき、左手のくすり指が、ずきりと痛んだ。


今は夕焼けがきれいだけど、今夜はお天気が崩れるみたい。雨の時は少し痛む。

目が覚めた。

泣かないよ。泣けないよ。やっぱり、無理だよ。今だけ受け入れてもらえたって、じゃあ、その先はどうなるのかな。


「月……」

「お花、なるべく長生きさせるからね!」


ふみとの帰る場所を取り上げたいわけじゃない。

だけどふみとは、わたしがいても、きっとべつの向こう側を選ぶ。

それでいいの。
そうあるべきだよ。わかってる。


だけどやっぱり、それはいやなの。


「アリス、ちょっと待ってて!すぐ戻るから」


ええ…中に入ってっちゃったよ。決心が揺らぎそうだから帰りたかったよ。

しかたなく待っていると、何やらかわいいラッピング袋を持って駆け寄ってくる。


「特待生がどう、とかで嫌がるかもしれないけど、贈りたいもの考えてたらどうしても浮かんできてさ」

「…まだプレゼントしてくれるの?」

「たいしたものじゃないけど……ちょっといいかな。ここ座って」


入り口前のベンチを指される。