世界でいちばん 不本意な「好き」



あと数日で誕生日を迎える。

そんなことすっかりわすれてたよ。


「えー、うそ、ありがとう…うれしい」


本当にうれしい。


「これみんなで準備してくれたの?」

「そうだよ!ふみとがね、アリスのお誕生日祝おうって言ってくれたの。そうしたら元気が出るかもって!」

「元気になったー?」

「…うん、すっごくなったよ」


いやだ、本当に。

当たり障りのない会話しかしなくても、隣の席じゃなくなっても、意地を張ってばかりでも、ふみとには見抜かれてしまう。


「アリスにお花のプレゼントもあるんだよ。この前先生とふみととみんなでおでかけさせてもらって、お花屋さんで選んだの」

「わ、きれい」

「似顔絵も描いた!」

「絵本もつくったよ!お話はみんなで考えてね、字はふみとが書いてくれた!」

「すごい、みんな、すごいよ。こんなの作れるんだね」


たくさんもらってしまった。

去年も一昨年もお菓子や手紙をもらったけど、今年はすごい。絶対にふみとの提案だ。


「本はあとで読んでね。おやつ食べよー!」

「みんな本当にありがとう。…ふみとも、ありがとう」

「うん。笑ってくれてよかった」


こんなの、笑っちゃうよ。
なんだか感動して泣きそうだよ。

おめでとうなんて、むかしはなんとなくもらっていた。たくさんもらう機会があった。だけど、こんなに心を癒してもらったのははじめて。


あきらめちゃ、だめだよね。

自分が手放したものをもう一度って、せっかく思えたんだもん。

がんばらないと。