世界でいちばん 不本意な「好き」



そう思っていたのに。



「なんでふみとと寧音がグルになるの!?ショーマ、あんたも!このふたりのこととめてよ!」

「ばーか、このふたりにおれが勝てるわけねーじゃん」

「そこは勝ってよ!」


穂くんとの待ち合わせ場所に少しはやく到着すると何やら気配がして振り向いたら近くの花壇に見覚えのある影がみっつも見えた。最悪だ。


「見るくらい減るもんじゃないしいーでしょ」

「ストーカーを正当化していい理由にならないし」

「まあまあ、アリス、落ちつこ?」

「…っじゃないから!なんでふみともついてくるかなあ!?」


勢いまかせに言うと、彼はおとなげなく眉を顰めてくちびるを尖らせた。

何その、あからさまに不満そうな顔。


「…なに?言い返したいなら聞きますけど」

「遠慮しないって言ったじゃんね」


まさか。


「もしかして、これ、ふみとが誘った?」

「というより、ふみとがひとりでアリスの後お追うとしてるところ見かけて、じゃあこっそりついてこうって話になった」



この3人、グルだ。最悪なトリオ!

とにかくこのままじゃ穂くんに迷惑がかかりそう。今日は一緒にオムライスを食べにいく約束をしてるんだ。

ふみとと、会わせたくない。



「もうっ 帰ってよ──」

「何があったか知らねーけど、友達にそんな言い方すんなよ。あんた、本当はそういうやつじゃねーだろ」

「…っ、穂くん!」


ああ、来ちゃった。

穂くんの名前を呼びつつも、ふみとのことが気になって、そっちを見てしまう。


そんな顔、しないで。



「ぜ、全員、友達じゃないし」


ふみとのこと、そう思えたこと、ない。
後ろめたいような気持ちになって、この場からはやく逃げ出したい。