世界でいちばん 不本意な「好き」



「前から言おうと思ってたんだけどせめて学童の日くらいは休めば。じゅうぶんがんばってるだろ」


まるで、特別みたいに───


「わたしがどんなシフト組もうがふみとに関係ないよ」


やめてよ。

みんな聞いてる。…みんな、ふみとのことが好き。


それなのにこのひとは、まるで特別扱いみたいな態度。勘違いするなって言うほうがむずかしいと思っちゃうよ。



「でた。ツキコの「関係ない」」

「ちょっと、名前で呼ばないでよ」



このまえから、なんなの?



「なんで?」

「そんなことふみとには、」


「また「関係ない」?名前で呼ぶのも金稼ぐのも妙に嫌われないように立ち回ってんのも、一番にこだわんのも、無理に話せとは言わねーけど関係ないって切り捨てられるのも淋しいんだけど」


「気にしてほしいなんて頼んでない。彼氏でもないのにうるさい」

「付き合ってもどうせ今まで腹ん中見せてきてないだろ」


しつこいし、おせっかいだし、めんどくさい。

なんでこんなに気にかけてくるの?


「わたしのことなんてどうだっていいでしょ」

「どうだってよくねーから突っかかってんの」

「なんで突っかかってくるの?」

「どーでもよくないから」

「おせっかい!うざい!」

「うるせー、あたまでっかち」


なっ……。

ああ言えばこう言う。
これじゃはずかしいくらい、立派なけんかだ。


「ツキコ」


わざとらしく呼んでくる。