世界でいちばん 不本意な「好き」




「さみしい……?ちがう。淋しくならないための方法が、それなんだよ」


叶えて。

だれか叶えて。


叶えてくれるひとならだれだっていい。
だからずっと、叶えてくれるひとを、探してる。


「ツキコがひとりにならない方法はほかにもいくらでもあるよ」

「なにそれ。わたしはだれからもいちばんにしてもらえないってこと?」


「そうじゃない。いちばんとか優先されるとか、そういうことよりずっと手前で、お互いを思いやるんだ。そのひとが大切にしているものが大切に見えてくるとか、大切なものはいくつあってもいいんだとか、そう思えるひとを好きでいることを一番に考えたらいい。
きっとその気持ちはツキコに寄り添ってくれるよ」



身体の横でぐっとこぶしを握る。

いつになっても左手はうまく握れない。


「たったひとつだけの大切なものにしてほしい。そのひとがわたし以外の何かを見るのは嫌」

「それは、むずかしいことだよ」

「わかってるよ!」


だってみんなそうしてくれない。

わたしはそうしようとしているのに。


返ってこない。わたしに何もないから、だれもいちばんに好きになってくれない。


「それでもいちばんがいい。何かの次は嫌。ほかの何かが入る隙間さえ要らない。ほかのものは、わたしの次でいいでしょ……って、思う。むずかしくても、そういうひとがいるんじゃないかって、思ってるの」


何かと比べるとかくだらないって思われているのかもしれない。

そんなふうにしてくれるひとなんていないって思っているのかもしれない。


だけど、淋しいことだ、なんて言わなくたっていいのに。

寄り添ってほしいのはわたしの中にある気持ちじゃない。