世界でいちばん 不本意な「好き」



「それにしてもうぜー。ふつうあんなところで誘ってくるか?ずっと断ってたんだぜ?みんなの前で言やあ断れねえとでも思ったのかよ」


ひょうひょうとしていたくせに、じつはショーマもものすごくおこっている。

まあ、でも、とりあえず頬にできた傷だけで済んでよかった、けど。でも。



「あの場では一時的には受け入れてあとからやっぱ考えた結果無理だって言えばまだ丸く収まったんじゃないの」

「あのな、アリス。あいつらわりと本気でやってんだよ。さすがにそんなやつらに嘘は言えねーだろ。おれには無理」

「なにその言いかた。わたしだったら言えたってこと?」

「はー?」


「最初っから入る気ないくせにいつになく真剣に練習してるところ見たら期待するでしょ。冷やかしだと思われてもしょうがないと思うけど」


「おま……バイト入ればよかったとか思ってんだろ!ひでーな!」

「思うに決まってるでしょ?なんでライブに来たのに喧嘩見せられないとならないの?なんで喧嘩になるの?前のショーマだったらもっとうまくやれてた…っ」



こんな時間になるならお金を稼ぎたかった。

だけど、そんなことばっかり思っていたわけじゃない。それなのに決めつけたような言葉が、妙に癪に障った。