世界でいちばん 不本意な「好き」



あからさまにそっぽを向かれたけど、そんな態度をとられるようなこと言った?


「ちょっと無視しないでよ」

「いや、だって」

「わたしへんなこと言った?もしかして見当違いでおこった?」


覗き込むように見ると、襟り足から見える首が真っ赤に染まっていた。


「アリスにほめられるの慣れてないのに急にすげー言うから…」


てっきり、そうだろってドヤ顔でもするかと思ったのに。

照れて赤く染まった顔を必死に腕で隠そうとしている姿に、こっちまではずかしくなってくる。


「ふみ、」


調子がくるうからやめてほしい。そう言おうとした口を広い手のひらに塞がれる。



「うれしいけどこれ以上言わないで。まじ無理」



手があつい。

たしかに…ちょっと意識の高い話をされただけじゃん。なにほめちゃってるんだろう。

わたしだってバイトはちゃんとしてるつもりだし、反省したり落ち込んだことで次に繋げていくのはあたりまえのことじゃない。そういうことをしているのは久野ふみとだけじゃないのに。


「はー…アリスってたまに飴くれるね」

「もう二度とあげないし」

「え、それはやだ」

「まじ無理って言ったのはそっちでしょ」

「言わなきゃよかった」


本当だよ。いちいちあんな反応されたらこっちだって言いづらいのに。

そのあとの会話も意識しすぎなのか、なにか聞くたびにほめてしまいそうでぎこちない返事しかできなかった。