世界でいちばん 不本意な「好き」






「ピカロのイベント…さいっこうだった!!!」

「今も夢のなかにいるみたいな気分~…」


登校するとふたりともあっこの席でうっとりした目でふみとに話しかけていた。へんな光景だ。


「本当?なにが最高だった?」

「なにって全部に決まってるでしょう!ピカロに会えたこと、ハイタッチできたこと、予定なかったのに歌を3曲披露してくれたところ!耳と目と手と鼻が幸せに満ちたよ!」


なんで鼻?


「なんで鼻?」


ふみともそう思ったらしい。きょとんとした顔で尋ねている。

テキトウに聞きながら席につくと「良いにおいだったから!」とあっこが熱を込めて言っていたから笑ってしまった。


「にーなが意外と手のひら大きいところがクるよね」

「あんなに可愛いのにね」


だめだ。ぜんぜん話がわからない。


そう思っていると近くに来たショーマが6人組の王子様衣裳を着たひとたちを映した画像を見せてきてひとりを指を差した。

どうやらこの女の子みたいに可愛らしいお顔をした人がにーな、という人らしい。



画像の真ん中にふみとがいる。黄色のベストを着ていた。


制服でもダッサい私服でもない。

あの、仲直りした日に見たオーラを感じる姿をしている。