待ち人、音信なし


それに頷き、二人で再度ビルを出た。

「あーあ、お酒飲みたあーい」
「真っ昼間から何言ってるのトリー……」
「だって役員のクソ共があ、休日は何してるのとか聞いてきてウザいんだもん」
「き、聞こえるから」

まあまあ大きい声でトリーが言うので、それを宥める。

私たちは国からの仕事を請け負っている。謂わば公務員。あのビルから出てきているので、一般人にも大体の内容が察せられる。

そして、素知らぬ顔をして歩いている同僚たちにも。

二人で見つけた穴場のカフェに入り、それぞれランチを注文する。ここは西区で採れた野菜が美味しい。