待ち人、音信なし


嫌そうな顔をしたノアさんを引きずり、空席に座らせた。
話の感じではどうやら騙されて連れてこられたらしい。確かに、ノアさんが出逢いを求めているところが想像出来ない。

というか、私は想像できないことばかりだ。

幸い、ノアさんはこちらにまだ気付いていない。
その前に抜け出し……。

「ノアさんは北ですか?」
「いや、ノアは中央。すぐそこ」

隣の女性の質問に、幹事の男性が答える。

「あ、それならイヴさんと一緒ですね!」

わ。
目が合いました。
気付かれました。
終わりです。

「じゃあ知り合い?」
「えっと、中央いっぱい人がいるので」

笑って誤魔化した。