待ち人、音信なし


『イヴっていつも何聴いてるの?』

以前、レイラに尋ねられたことがある。
見られているとは気付かなかったので、驚いた。

『あー……それは』
『言いたくないなら言わないで良いよ』

ひらひらと手を振った。
多分、レイラは、私が所長に拾われた“ワケアリ“であることを知っている。

『死んだ彼の、留守電』

レイラの弟も戦死している。
それを明かしてくれたのは、二人のときだった。

『戦争で?』
『うん』
『だからか。いつもちょっと苦しそう』

レイラは穏やかに笑うだけだった。