メルキュールはそう言い、自身の持つ本の世界にいる人たちの人数を把握する能力を使ってみる。どこにいるのか位置はわからないものの、きちんと人間の数が読み取れた。

「必ず助ける……!」

走りながらメルキュールがチラリと後ろを見ると、リオンたちはメルキュールの後を追って走ってきていた。それにホッとしつつ、メルキュールは前を向く。

ドクドクと心臓の鼓動が一気に早まった。