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 「で、さっきから何をやってるの?」
 「えっと……お料理をつくってるんだけど……」
 「そんな大量に?」


 剣杜が仕事のために帰った後。
 時間があるという宮の家に、虹雫は残っていた。そして、先ほどとは別に料理をしていた。
 始めはリビングで待っていた宮だが、なかなか帰ってこない虹雫を見かねて、またキッチンを訪ねてきたのだ。
 宮が不思議そうに尋ねてくる。

 それもそのはずで、ここに来る時にかなりの量の食材と調味料、タッパーを持ってきていたのだ。宮は「それどうしたの?」と聞かれ、「宮に料理食べてほしくて」と伝えると喜んでくれた。が、それにしては量が多すぎるのだ。

 料理を次々にタッパーに入れていき、冷ますのを待っている。
 

 「とっても美味しそうな匂いがしているんだけど、さっきの料理も食べたし……。それに夕飯にしても量が多すぎるよね」
 「えっと、宮はあんまり料理しないでしょ?だから作りおきしてみたんだけど…」
 「虹雫………」


 宮は苦笑いを浮かべて、虹雫に近づき持っていた包丁を手から取り、まな板に置いた。そして、その手を伸ばして火がついていたコンロを消した。