●1話プロット

気付いた時には『私』は森に居た。生活圏内にこんな森はない、というのはわかるのに、自分の名前もさっきまで何をしていたかも思い出せずパニックになりかけたところに現れたのは、白銀の髪と赤い目をした、人間であるはずなのに『ウサギ』だ、という意識を抱かせる謎の青年。『時計の狂った白ウサギ』――『白兎(ハクト)』と名乗った彼は、『私』を『お客様(アリス)』と呼び、ここは『不思議の国(ワンダーランド)』であり、世界を踏み外した者が訪れるこの場所に『私』は体を置いて訪れてしまったため近いうちに死ぬだろうと告げる。
 死にたくなければ『アリス』としてこの世界を巡り、元の世界へ戻る手順を踏めばいいと言われ、『私』は半信半疑ながらその言葉通りにすることを決める。

●2話プロット

白兎に導かれ、『帽子屋』『トゥイ―ドル兄弟』『芋虫』のいずれかに会うための三叉路を示されるものの、なぜか気になって背後の道を進む『私』。その先で傷だらけの懐中時計を拾う。
 改めて三叉路を進み、『帽子屋』と出会う『私』。お茶会でのみ『アリス』と語らえるという帽子屋にこの世界について尋ねると、詳しく教えてくれる。「自ら世界を踏み外した最初のアリスが『歪み』を利用してこの世界を作った。だからこの世界は『不思議の国のアリス』に酷似している」「ゆえにこの世界は、世界を形作った『アリス』のためにあり、『アリス』不在の『不思議の国』は『アリス』の適正がある者を呼ぶ」「呼ばれたアリスはここで死ぬか、『不思議の国のアリス』のような道程を辿って元の世界に帰るが、今のこの『不思議の国』は様々な部分に不具合をきたしている」「だから白兎をあまり信用しない方がいい」


●3話プロット

増えた疑問と不安を抱えながら帽子屋に示された道を行くと、今度はトゥイ―ドル兄弟に出会う。三つ子であるが二人でしか現れないという彼らは『嘘をつけない、嘘しか言わない、嘘も本当も言わない』という性質をそれぞれ持っているという。「白兎は狂っている」「世界は正常に回っている」「ピースが足りない」「今度のアリスも取り込まれる」様々な言葉を残して消えるトゥイードル兄弟。どうすればいいのか迷う『私』の前に白兎が現れ、「少し巻きで行こうか」と城に連れて行かれる。『アリスが大好き』で『血が嫌い』な赤の女王と会い、この世界への違和感が強まり、おかしさを実感する。