「お前はここにいろ」
「え、でも止めなきゃじゃないの…?」
「ああなったらもう無駄だ」
那岐まで諦めムードだ。
せっかくの誕生日なのに…。
だって私まだ「おめでとう」って言えてない。
それなのに、こんなところで喧嘩されたらたまったもんじゃないっての。
「やめてって2人共!!」
「退いてろ絃。このジジイは俺が成敗しなきゃなんねえんだ」
成敗って……。
自分の組の組長を成敗してどうするの、お父さん。
「おじいちゃんも落ち着いてよっ!」
「昔っから生意気なガキなんじゃこいつは。1度痛い目見せんといかんわい」
あーもう、面倒くさい。
すっごい面倒だ。
今日の主役はあんたらじゃなくて那岐なのに!
すーーーー……、
「今日は那岐の誕生日だって言ってんだろ馬鹿親子っ!!喧嘩なら他所でやれ!!!」
これが内なる絃だ。
どうしようもできないときやイライラがMAXになったときに出てくれるもの。
わりと昔からこれに助けられてる部分もある。
するとピタリと2人の動きは止まって、親子揃ってどっかり畳に腰を下ろしてくれる。
「ここはお預けにしといてやるよ、クソジジイ」
「黙っとれいクソガキ」
え、収まった…?
まさかの静まり返った…?
そして「おぉぉぉぉぉ!!!」と、周りは私へスタンディングオベーション。



