光を掴んだその先に。





そうなのか?と、顔を見合わせる数人。


え、知らなかったの…?
けっこう有名なのに。

その制服はすっごく可愛いから、私も着たかったなぁって思ったときがあったくらいだ。



「あっ、そうだおじさん。アイスケーキ好き?」


「は……?ぐっ…!!」



突拍子もない質問をして、男が首を傾げたタイミングを狙って脛へ強く棒で打った。


片膝を付いた男の腕に囚われていた女の子は私のほうへ駆け寄ってくる。

そのまま手を掴んで走る───が。


「なにすんだこのガキっ!!」と、男が走り寄って来ることなんて予想の範囲内。



「君は逃げてっ!」


「でっ、でも…っ」


「いーから早く!!!」



どうして逃げないの。
あぁ…逃げれないの。

足が震えている女の子は、今にも腰を抜かしそうな勢いだ。



「わっ…!!」


「よくもやってくれたなァ?」



すると今度は私が囚われた。

ぐいっと腕を引かれ、路地裏へ連れて行こうとするものだから。



「離してっ!!ケーキっ!!ケーキがあるんだってばっ!!」


「知らねェよそんなモン。テメェから絡んで来たんだぜ嬢ちゃんよ」


「いーーやーーだーーー!」



とりあえず必死の抵抗。

体重をぐいっとうしろにかけて、座り込むように抗った。



「今日はテメェでいいや。さっきよりはレベル下がったが我慢してやるか」


「はっ!?ブスってこと!?」


「身体つきも貧相だしつまんねェだろうが、まぁ若いからカバーされるだろ」