光を掴んだその先に。





「やっ、離してください…!」


「いいじゃん、お金稼げるよ?気持ちいいコトしてお金稼げるとか最高じゃん」


「やめて…っ」



駅前のケーキ屋さんからそこまで離れた場所ではなかった。

ロータリー広がるその場所は行き交う人々で溢れているけど、少し裏道に入ってしまえば薄暗い。


やっぱりおかしかったのだ。



「だ、だれか…っ!!」


「おいおい、騒ぐんじゃねえよ。俺たちだって手荒には扱いたくないんだぜ?」


「そうそう。こーんなに可愛いんだからさぁ」



あの制服はこの町でも有名なお嬢様学校の制服だったから。

そんな子が柄の悪い男たちに囲われるように裏道へと向かっていて。


追いかけて正解だった。



「普通に考えてさ?そんな可愛い子がおじさんたちを相手にするわけないってば」



使えそうなものは道端にある木の棒くらいか…。

これをとりあえず竹刀の代わりにすればいけるかな。



「あぁ?なんだテメェ」


「おいおい、鴨がネギ背負ってわざわざ来たのかよ」



ケーキは見つからない場所に隠しておいた。

サッと女の子だけとりあえず助けて、ケーキを抱えて逃げる。


私の作戦はこうだった。



「落ち着こうおじさんたち。その子はお嬢様学校の子だからやらかせばいろいろ大変だよ!」