「そんなこと分かってるよ。分かってるけどさ。翔とお別れする時が来るかも知れないって考えたら、不安なの。ふえっ、ううう~」
私は涙の止め方が分からなくなっていて。
「結月、泣かないで。俺はここにいるでしょ。今、ここにいる」
「翔と離れるのが不安なの。遠距離恋愛ができるか自信ない。私、翔がこんなに大好きなのに、どうしていいか分からないの」
翔は私の涙を優しく拭い、私をまっすぐに見つめて
「不安なのは俺も同じだよ、結月。本当は結月も一緒についてきて欲しいけど、そうはいかないでしょ。だから俺は結月の気持ちが俺から離れて行かないように頑張るんだよ。まだ大学だって決まっていないのに、今からそんなに不安になるなよ」
そう言うと優しく抱きしめてくれて、私の涙が止まるまでずっと耳元で囁いてくれていた。



