「翔は、翔は来年の春には新しい世界に行く人でしょ。その時残された私は過去の人になるんだよ。翔にはたくさんの新しい出会いがあって、私の事なんて忘れちゃ・・・」
「結月!それ以上言ったら本気で怒るよ」
私の目から涙が溢れた。
「ここ出よう。外で話そう、結月」
翔に促されレストランを後にして、人影がまばらな公園のベンチに座った。
「今夜は帰ろう、結月。送るよ。少し冷静になって」
翔は会話がこれ以上発展しないと思ったのだろう、私の手を引き、駅へ向かおうとしたけど、私はその場から動こうとしない。
「いやだ、翔。帰りたくない」
「結月。どうしたいんだよ。俺にどうしろっていうの。一年の差はどう頑張ったって縮まらないんだよ」



