はじめてのカレカノ


私は何駅か先で少し遠かったけど、テーブルの脇に大きな水槽があり、泳いでいる熱帯魚を見ながら食事ができるレストランを選んで、翔を案内した。

「へぇ、こんなレストランがあったんだ。結月、誰かと来たことあるとか言わないよな?」

なんて聞いてきて。

「もしそうだったらどうする?」

私はヤキモチを焼かせたくて、少し得意げに言ってみた。

「まぁそんな事無いか。結月にとって俺が初カレだもんな」

「くうっ!そんな事、言葉に出して言わないでよ」

「俺が結月の最初で最後の男ってことでいいだろ」

「じゃあ、翔と別れちゃったら私にもう彼ができないってことじゃんか!」

「んーーー、別れんの?俺たち」

「別れ・・・ないよ?」

「疑問形で返事すんな!」

私たちは岡崎先輩の言う”バカップル”な会話をしながら食事を楽しんだ。